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時間をかけた職人技、受け継がれた土地への敬意、そして献身が形づくる一杯。
Ethiopia, Yirgacheffe の Chelchele 高地で、Hailu Abebe は小さな農地を細部にまで目を配りながら大切に守り続けています。始まりは控えめな規模でも、4 年もの歳月をかけて最初のチェリーが実るまで待ち続けた粘り強さは、彼自身の誇りを映すものとなりました。
この地域では、コーヒーは今も生活の一部として息づいています。土地や労働、知識を分かち合う家族たち。収穫は手作業で、精製もひとつひとつ丁寧に行われます。かつては複数農家の豆が混ぜられていたエリアで、Hailu が自ら栽培・精製まで手掛けるのは珍しく、Ethiopia におけるシングルファーマー・トレーサビリティへの静かな進化を象徴しています。
丁寧な摘み取りとゆっくりとした乾燥によって、果実の個性がしっかりと留められます。生み出されるのは、ダークベリーの深み、熟した果実の甘さ、そしてクリーンな構成が際立つ、透明感ある味わい。Yirgacheffe に多いフローラルな印象とは異なる、意図的で、しっかりと大地に根ざした、個性的な一杯です。
このコーヒーは単なる飲み物ではありません。初めての収穫を辛抱強く待ち続けた農家の物語、土地の文化を支えるコミュニティ、そして一杯一杯を形づくる時間と手間。そのすべてが宿った、静かに力強い Ethiopia のコーヒーです。ひとつの名前、ひとつの物語、ひとつの揺るぎない技が息づいています。
お飲みいただく前に、焙煎日から 7 ~ 10 日ほど豆を休ませることをお勧めしています。