メーチェディは、もともと茶の産地として知られてきた地域です。コーヒーも長く生産されてきましたが、その位置づけはあくまで茶と並ぶ存在のひとつでした。近年では、若い世代の生産者たちがコーヒーに改めて向き合い、プロセスや品質への取り組みを少しずつ深めています。
このロットは、そうした流れの中で生まれました。19の農家による協同ロットで、それぞれがアナエロビック・ナチュラルで個別に処理を行います。その手法は、この地域に根づく茶の発酵の考え方から着想を得たもの。発酵時間を丁寧にコントロールしながら、質感と風味の輪郭を整えています。各ロットは個別にカッピングされた後、ひとつにまとめられ、まとまりのある味わいへと仕上げられます。
カップでは、赤い果実の印象が素直に広がります。クランベリージャムやラズベリーのニュアンスに、ほのかにハイビスカスのようなフローラルさ。酸はジューシーで丸みがあり、サンザシを思わせるやわらかな明るさがあります。温度が下がるにつれて、余韻は紅茶のように穏やかに移ろい、ほのかな甘さが静かに残ります。
私たちはこのコーヒーを昨年に続き選びました。タイのコーヒーが少しずつ輪郭を持ち、方向性を感じさせてくれる、その変化に惹かれています。
お飲みいただく前に、焙煎日から 7 ~ 10 日ほど豆を休ませることをお勧めしています。