私たちは創業以来、ただ一つのことに向き合い続けてきました。それは、コーヒーです。
時代とともに、新しいトレンドや期待が生まれます。私たちのコーヒーは「スペシャルティコーヒー」と呼ばれることもありますが、それは私たち自身が掲げている言葉ではありません。
「スペシャルティコーヒー」という考え方は、時代とともに意味が広がり、ときには何を指すのか分かりにくくなってしまいます。そして、それを「すでに達成しているもの」として考えてしまうと、自分たちの仕事を見直したり、より良くしようとする姿勢が薄れてしまうことがあります。
私たちにとって品質とは、一杯ごとに積み重ねていくものです。「スペシャルティ」という言葉を自ら掲げることは、もう十分な水準に達したと思い込んでしまうことにもつながりかねません。
事業が成長するにつれて、新しい機会や、さまざまな意見に触れる場面も増えていきます。そんな中で進む方向を見失うこともあるかもしれません。それでも私たちは、自分たちが信じるコーヒーのあり方を軸に判断し、周囲に合わせるのではなく自分たちの道を選び、そして進み続けています。
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Coffee
コーヒーを取り巻く環境は、この数年で大きく変わりました。生産から提供まで、あらゆる工程でコストは上がり続けています。
だからこそ私たちの課題は、品質を追求することではなく、その品質を適正な価格で届け続けることにあります。
品質が良く、そして日常の中で自然に手に取れる存在であること。その両立を目指しています。
一方で、品質を安定して保つことは、コーヒーの仕事の中でも最も難しいことの一つです。収穫ごとに豆の個性は変わり、焙煎も抽出も、その度に調整が必要になります。
だからこそ、人が重要になります。
バリスタは、私たちの考えを一杯のコーヒーとして届ける最後の存在です。品質は、彼らの手によって形になります。
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People
私たちの考え方は、バリスタを通してお客様へとダイレクトに伝わります。
技術はもちろん大切ですが、それだけで十分ではありません。その姿勢や好奇心、そしてコーヒーそのものへの純粋な興味が、一杯の品質を支えています。
成長する中での課題は、その考え方を組織全体で育て続けることです。長く働くメンバーが成長し続けられること。そして新しく加わる人も、私たちが大切にしている基準や価値観を理解できること。そのために教育やトレーニングを続けています。
私たちは、効率だけを理由に仕事を変えたいとは考えていません。
オートメーションにはそれの良さがありますが、人が淹れるからこそ生まれる学びや、そこから生まれる人とのつながりも大切にしています。コーヒーをつくる楽しさは、その工程の中にあると考えているからです。
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Spaces
成長過程では、どこでコーヒーを届けるかという選択も難しくなっていきます。
新しい機会は数多くありますが、どんな場所でも私たちらしい仕事ができるわけではありません。その土地や地域との関係、長く続けられる環境かどうかを、一つひとつ丁寧に考えながら判断しています。
私たちは、速く広げることよりも、納得できる場所を選びながら的確に進むことを大切にしています。その方が、どの店舗でも変わらない品質と向き合えると考えているからです。
Returning to the Centre
自分たちらしさを保ち続けることには、絶えず努力が必要です。
成長するほど、創業当初の考えから少しずつ離れてしまうこともあります。迷いや誘惑がなくなることはありません。だからこそ、大切なのは、自分たちが少しでも軸から離れたことに気づき、もう一度初心へと立ち返ることです。
こうした日々の積み重ねが、私たちにとっての「シンプルであること」の追求です。
ただ物事を減らすことではなく、本当に大切なことに集中し、それを丁寧にひたむきに続けること。コーヒー、人、そして空間。この3つが、成長を続ける今も、私たちの判断の基準であり続けています。